「映像も入れられますよ」と提案書に書いたはいいものの、いざクライアントに詳しく聞かれると答えられない。イベント制作会社の営業さんから、そんな相談を受けることがある。この記事では、実際に組んでいる5万円のテンプレート型OPムービーパッケージを例に、映像OEMで自社名義で映像を売るという考え方を、金額感まで含めて書いていく。
イベント会社にとって「映像」が提案しにくい理由
イベント会社の営業さんと話していて感じるのは、映像そのものが悪いんじゃなくて「提案の型」がないだけだということだ。
企業イベントの提案書を作るとき、会場・音響・司会・什器はすぐに金額が出る。でも映像だけは「別途お見積り」になりがちだ。理由は単純で、映像制作会社に個別に発注すると、都度ヒアリング・都度見積もりになるから。担当者からすると「いくらになるかわからないものを、クライアントに提案しづらい」という状態になる。
これはクライアント側の心理も同じだ。周年イベントや社員総会を担当している企業のイベント担当者は、映像を使ったことがない場合が多い。「うちの規模でOPムービーなんて大げさじゃないか」「見積もりが高そうで怖い」と、聞く前から諦めているケースをよく見かける。
イベント会社が持つべきなのは「映像制作会社との人脈」ではなく「自社の商品として即答できる映像メニュー」だと僕は思っている。見積もり待ちにならず、その場で「OPムービーなら5万円からできますよ」と言えること。これがあるかないかで、提案の通りやすさがまったく違ってくる。

映像OEMという仕組みの中身
僕らがイベント会社さんに提供しているのは、テンプレート型のオープニングムービーパッケージだ。仕組みはシンプルにしてある。
料金は1本あたり5万円。月額でも継続契約でもない。中身は、映像のテンプレート(型)と素材、それに仕様書がセットになっていて、発注する側はフォームに沿って情報を入力するだけ。会社名、イベントタイトル、使いたい写真、テーマカラー、こういった項目を埋めていくと、入力した時点でその場で完成イメージが固まる仕組みになっている。
そのフォームの内容をもとに、After Effectsを扱える編集者が実際の制作を行う。毎回ゼロから個別に設計するわけではないので、人の手が介在する範囲を絞っていて、それが低予算で成立する理由になっている。品質を落として安くしているわけではなく、テンプレート化して工数を圧縮している、というのが正確なところだ。
そしてここが一番大事なポイントなのだが、このパッケージは御社(イベント会社)の名義で納品できる。EasyEaseの名前は出さない。イベント会社が自社のクライアントにいくらで販売するかも完全に自由で、僕らはそこに一切口を出さない。1本5万円で卸して、それをいくらで売るかは御社の商品戦略だ。
つまりOEMというのは「映像制作を裏側で肩代わりしてもらう」仕組みだ。イベント会社は自社の提案メニューとして映像を持てるようになる。
5万円版でできること、できないこと
ここは正直に書いておきたい。5万円のパッケージは、静止画ベースの最低限の構成だ。動画素材をふんだんに使った作り込みや、複雑なモーション、企業ロゴのアニメーションを凝りたい、というレベルの要望には応えきれない。
過剰な期待を持たせるつもりはなく、これは「映像を初めて使う企業に、まず体験してもらうための入口」として設計している。
そこから「もっと作り込みたい」「動画素材も使いたい」となった場合は、EasyEaseの通常のオープニング映像制作料金でカスタム制作に切り替えられる。つまり5万円は最小構成の入口であって、そこから上のグレードへ広げていける二段構えになっている。
イベント会社の営業さんに伝えたいのは、この「入口があること」自体に価値があるということだ。今まで映像の相談を受けても「じゃあ見積もりしますね」で止まっていたところが、「まず5万円のプランからいけますよ」の一言で会話が前に進む。
安さの理由と、本当の目的
「なんでそんなに安くできるんですか」と聞かれることがある。答えはシンプルで、テンプレート化して、毎回ゼロから設計する部分を減らしているからだ。技術がすごいから安いわけではない。
でも、この価格設定の本当の目的は「安さ」自体ではない。目的はただ一つで、エンドクライアントに”映像の力”を体験してもらうことだ。
映像を使ったことがない企業ほど「うちには必要ない」と思っている。使ったことがないから価値がわからないだけなんだと思う。会場が暗転して、OPムービーが流れた瞬間。あの空気の変わり方は、体験しないと伝わらない。ざわついていた会場が静かになって、スクリーンに視線が集まる。あの瞬間を一度味わってもらうしかない。
その”最初の一回”を邪魔しているのが金額のハードルだと僕は思っている。だから価格を下げている。安くすること自体がゴールなのではなく、体験してもらうためのハードルを下げているだけだ。
一度体験すると、次は「エンディングも映像にしたい」「表彰式でも使いたい」と、映像を使える場面が自然に広がっていく。そして翌年、「去年映像を入れたら反響が良かった。今年はもっと予算を組んで盛大にやろう」という判断につながっていく。
イベント会社にとってこれは、目先の単価の話ではない。クライアントの映像予算そのものを育てる一手であって、来年・再来年の案件規模を大きくする種まきだと僕は捉えている。
【イベント会社さまへ】
「この演出、映像でやりたいけど社内に手がない」——そんなときは、制作パートナーとして裏方で入ります。
御社の名前で納品できる形(下請け・OEM)にも対応しています。
新規クライアントとの接点を、案件につなげる動き方
映像を自社の商品として持てるようになったら、次に大事なのは「そのメニューを提案するタイミング」を逃さないことだと思っている。
これはイベント会社の営業さんに当てはまる話だ。展示会や商談で「映像も使えるんですね」という反応をもらった瞬間が一番の勝負どころになる。その場で「OPムービーなら5万円のプランからご用意できます」と即答できるかどうかで、次のアポにつながるかが変わってくる。
見積もり待ちで数日空けてしまうと、担当者の熱量は下がりやすい。逆にその場で金額感まで示せると、「じゃあ次回の周年イベントで検討したい」という具体的な話に進みやすくなる。
新規の接点ができた当日か翌営業日中に社内で共有し、次に誰が何を動かすかをタスク管理表に反映しておく。これが地味だけど、案件化のスピードを上げる一番の方法だと僕は考えている。
提案の場で使えるセリフと段取り
具体的にどう提案するか、現場で使える形をそのまま書いておく。
初回商談での切り出し方 「周年イベントや社員総会で、オープニングに映像を使うケースが増えています。弊社では5万円からご用意できるプランがあって、フォームに会社名やテーマカラーを入れていただくだけで、その場で完成イメージを確認できます」
ポイントは金額を最初に言い切ること。「別途お見積り」より「5万円から」の方が、担当者にとって社内稟議を通しやすい。
予算を渋られたときの返し方 「まずは今回、最小構成の5万円のプランで映像の効果を体感していただいて、来年の周年ではもう少し作り込んだ形にステップアップする、という進め方もできます」
これは事実として二段構えの仕組みがあるから言えるセリフで、無理な誇張ではない。
社内タスクとしてのチェックリスト – 新規接点ができた当日〜翌営業日中に社内共有 – 映像提案が刺さりそうな案件かどうかを営業担当が一次判断 – 刺さりそうであれば、5万円プランの資料をその場で送付できる状態にしておく – 進捗はタスク管理表に反映し、誰が次のアクションを持つか明確にする
これをルーティン化しておくだけで、映像提案の打率は変わってくるはずだ。

OEMを組む上でイベント会社が確認すべきポイント
最後に、実際にOEMでパートナーを探す場合に確認しておいた方がいいポイントを整理しておく。
① 名義を渡してもらえるか 自社名義で納品できないと、クライアントに「外注してる」とバレてしまい、イベント会社としての信頼に関わる。ここは契約前に必ず確認すべきところだ。
② 販売価格に口を出されないか 卸値が決まっていても、販売価格まで縛られると自社の利益設計ができなくなる。ここは自由であるべきところだ。
③ 5万円版の範囲がどこまでか 静止画ベースなのか、動画素材を使えるのか。ここが曖昧なまま提案すると、後でクライアントとの認識ズレが起きる。事前にサンプルを見せてもらうのが確実だ。
④ カスタムへのステップアップができるか 5万円版で終わりではなく、上のグレードに広げられる設計になっているか。これがあることで、翌年以降の提案の伸びしろが生まれる。
まとめ
映像を自社の提案メニューに組み込むというのは、単に「安い映像を仕入れる」という話ではないと僕は思っている。クライアントに映像体験を届ける入口を持つこと、そしてその体験から翌年以降の予算を育てていくこと。この二つが本質だ。
5万円のテンプレートパッケージは、その入口をつくるための最小構成であって、そこから先の作り込みは案件ごとに広げていける。イベント会社さんが自社名義でこの仕組みを持てれば、提案の場での即答力が変わってくるはずだ。
新規の接点ができたときにすぐ動ける体制を社内に作っておくこと。これも合わせてやっておくと、映像提案から実際の案件化までのスピードが上がっていくと思う。
イベント業界全体の市場規模や需要動向は、一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)が公表している統計が参考になる。自社メニュー化するかを社内で検討する際の裏づけ資料としても使いやすい。
EasyEaseが実際に手がけた企業イベント映像・OPムービーは制作実績ページにまとめています。実際の事例はこちら。対応範囲はサービス全般はこちらからご覧いただけます。
なお、テンプレート型の5万円パッケージから作り込む場合の映像制作費はおおよそ10万〜50万円が目安で、規模や本数によって変わります。料金は案件ごとに条件が異なるため、まずは打ち合わせで無料お見積もりをご依頼ください。
【株式会社EasyEaseについて】
イベント会社の映像パートナー。企業イベントの撮影・編集・ライブ配信・OPムービー制作を、 御社案件の一部として裏方で担当します。テンプレートを活用して工数を抑えることで、OP映像をもっと多くの現場で使ってもらえる価格にしています。 広告代理店・制作会社向け自社サービス「CUROCO」も運営中。
公式サイト:株式会社EasyEase公式サイト / パートナーのご相談:お問い合わせフォームはこちら