「新人が入るたびに、同じ説明を何度もしている」——社内マニュアル動画のご相談は、この一言から始まることがほとんどです。ただ、動画にすれば必ず解決するわけではありません。この記事では、どの業務が動画に向いているか、費用が何で決まるか、外注前に何を決めておけばいいかを整理します。
社内マニュアル動画とは、どういうものか
この動画は、業務手順や機器の操作、接客の型などを映像で残し、社員が必要なときに見返せるようにしたものです。紙のマニュアルやOJTの置き換え、あるいは補完として使われます。
紙との違いは、「動き」と「順番」をそのまま記録できる点にあります。機械の操作、包丁の入れ方、電話応対の間の取り方といったものは、文章と静止画にした瞬間に情報が落ちます。動画ならその落ちた部分が残ります。
もうひとつの違いは、教える側の時間を消費しないことです。OJTは教える人が毎回拘束されますが、動画は一度作れば何度でも同じ品質で再生されます。新人が入るたびにベテランが同じ説明を繰り返している会社ほど、効果が分かりやすく出ます。
向いている業務、向かない業務
向いている業務
- 手順が決まっていて、繰り返し発生する業務。機器の立ち上げ、日次の点検、システムの入力手順など
- 言葉で説明しにくい動作。力の入れ方、角度、速度が結果を左右するもの
- 人によってやり方がばらついている業務。動画にすると「正しいやり方」が一本化されます
- 新人が短期間で大量に入る職場。教える側の負荷がそのまま削減されます
向かない業務
- 手順が頻繁に変わる業務。半年ごとに作り直すことになり、費用が積み上がります
- 判断が中心の業務。「どう考えるか」は動画より文書や対話のほうが伝わります
- 例外処理が大半を占める業務。パターンが多すぎて動画の本数が膨らみます
向かない業務を無理に動画化すると、更新されないまま古い手順が残り、かえって混乱の元になります。最初は「向いている業務」の中から、いちばん繰り返し回数が多いものを1本だけ作るのが安全です。
費用はどう決まるのか
費用は、動画の長さではなく撮影する現場の数と、手順の本数でほぼ決まります。
- 撮影日数:1拠点で1日か、複数拠点を回るか。ここが最も費用に効きます
- 本数:手順ごとに動画を分けると本数が増えますが、撮影は共通なので編集費だけが増えます。1本の長い動画より、短い動画を複数に分けたほうが現場では使われます
- 表現手法:実写だけか、画面操作のキャプチャやモーショングラフィックスで図解を入れるか
- ナレーションと字幕:現場が騒がしい、あるいは音を出せない環境で見るなら字幕が必須になります
- 出演:社員が出演すれば出演料はかかりません
規模によって幅がありますが、企業向けの動画制作サービスはおおよそ10万〜50万円が目安です。撮影拠点数や手順の本数で変わるため、料金表で一律にお出しするより、まずは打ち合わせで無料お見積もりをお出しするようにしています。
この考え方は企業PR動画と共通です。詳しくは企業PR動画の制作費用はどう決まる?で整理しています。
外注する前に決めておく4項目
次の4つが決まっていれば、初回の打ち合わせで構成案まで話が進みます。
- 誰が見るのか:新人か、中途の経験者か、外国人スタッフか。対象が変わると、省略してよい前提知識が変わります
- いつ見るのか:入社時に一度まとめて見るのか、現場でその都度スマホで見返すのか。後者なら1本2〜3分に刻む必要があります
- どこで見るのか:社内ネットワークか、動画共有サービスか、タブレットに入れて持ち歩くか。納品形式が変わります
- 正解を誰が決めるのか:「この手順で合っている」と判断できる人を1人決めてください。ここが曖昧だと、撮影後に「うちの部署ではやり方が違う」と差し戻しが発生します
4つ目が抜けたまま進行して撮り直しになる例が、いちばん多いです。
撮影当日と納品後に起きやすい失敗
- 音が使えない:工場や厨房は環境音が大きく、現場で録った説明音声がそのままでは使えないことがあります。ナレーションを後から入れる前提で構成しておくと安全です
- 手元が映っていない:全体の画だけ撮って、肝心の手元の動きが小さくしか映っていない。何をアップで押さえるかは、撮影前に手順書レベルで決めておきます
- 実際の作業速度で撮ってしまう:熟練者の速度で撮ると、初心者には速すぎて追えません。撮影時にゆっくりやってもらうか、編集で速度を落とします
- 更新できず放置される:手順が変わったときに差し替えられる構造にしておくことが重要です。全体を1本にせず、工程ごとに分けておけば、変わった工程だけ撮り直せます
最後の点は費用に直結します。分割しておくかどうかで、2年後の更新費が大きく変わります。
まとめ:1本目は「いちばん繰り返している作業」から
手順が決まっていて繰り返し発生する業務ほど、動画化の効果は出ます。費用は尺ではなく撮影日数と手順の本数で決まり、工程ごとに分けておくと後から更新しやすくなります。
最初から全業務を動画化しようとすると、費用も工数も膨らんで頓挫します。いちばん繰り返し回数が多い作業を1本だけ作り、現場で本当に見られるかを確かめてから広げるのが確実です。
私たちEasyEaseは、東京・横浜を中心に業務マニュアル動画を含む企業向けの動画制作を行っています。実際の事例はこちら:EasyEaseの制作実績もあわせてご覧ください。
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