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発注後にトラブルになりやすい確認漏れ|契約前に握るべき5項目

発注後にトラブルになりやすい確認漏れ|契約前に握るべき5項目

「発注は済んだはずなのに、進行中に『それは聞いてない』が何度も出てくる」。イベント制作会社の営業やプランナーの方から、映像パートナーとの案件でこんな声を聞くことがあります。

これは映像会社側の落ち度というより、契約前に確認すべき項目が曖昧なまま走り出してしまっているケースがほとんどです。僕は動画生成AI研究所の所長として、企業イベントの現場で映像がどう使われているかを観測しているのですが、揉めるポイントはだいたい5つに集約されることに気づきました。今日はその5項目を、契約前にどう握っておけばいいか、具体的なチェック項目とセリフ例まで含めてお伝えします。

契約前に握るべき5項目とは

映像込みのイベント提案で契約前に握るべき5項目:納品形式とファイル仕様、修正回数と範囲、編集素材の提供締切、著作権と二次利用、当日の運用体制

映像込みのイベント提案をするとき、御社(イベント制作会社)とクライアント、そして制作パートナーの三者の間で「言った・言わない」が起きやすいポイントがあります。これは映像会社が悪意を持って曖昧にしているわけではなく、単純に「毎回同じ確認をしていない」ことが原因であることがほとんどです。

僕がこれまで見てきた案件では、この5項目さえ契約前に文書化しておけば、進行中のトラブルの大半は事前に潰せると感じています。

順番に見ていきましょう。

①納品形式とファイル仕様

まず一つ目は、納品されるファイルの形式と仕様です。当日会場で使う映像なのか、後日SNSに二次利用する素材なのかで、必要な解像度もアスペクト比も変わってきます。

ここで確認すべきは以下の3点です。

– 会場のプロジェクターやLEDビジョンの解像度(4K対応か、フルHDで十分か) – アスペクト比(16:9が基本だが、縦型SNS用に9:16も必要か) – 納品形式(MP4なのか、会場の再生機材に合わせた特殊なコーデックが必要か)

契約前のセリフ例としては、こういう聞き方が有効です。

「当日の会場スクリーンは4K対応でしょうか。フルHDでも見た目にはほぼ差がないですが、大型ビジョンだと粗さが出ることがあるので、事前に会場仕様を教えていただけますか」

この一言があるだけで、納品直前に「思っていたのと違う」という事態を防げます。

②修正回数と修正範囲

二つ目は、修正の回数と範囲です。ここが一番揉めやすいポイントだと感じています。

多くの映像会社は見積もりに「修正2回まで」と書いていますが、この「2回」が何を指すのかが曖昧なケースが多いんです。BGMの差し替えは1回とカウントされるのか、テロップの誤字修正はカウント外なのか、そこまで契約前に握っておく必要があります。

チェックすべき項目はこちらです。

– 修正回数の上限(何回まで無償か) – 軽微な修正(誤字・色味の微調整)と大幅な修正(構成変更)の線引き – 修正の連絡期限(初稿確認から何営業日以内に返信が必要か)

セリフ例としては、

「修正2回とのことですが、テロップの誤字修正のような軽微なものは回数にカウントされますか。構成自体を変える大きな修正の場合は、追加費用が発生する認識で合っていますか」

このように、契約前に「軽微」と「大幅」の境界線を確認しておくと、進行中の認識ズレを防げます。

③編集用素材の提供締切と責任分界点

三つ目は、編集で使う素材(ロゴ、写真、原稿、BGM指定、受賞者リストなど)の提供締切です。これは映像会社側の進行だけでなく、クライアント側の協力が必要な部分でもあるので、誰がいつまでに何を用意するのか、責任の分界点をはっきりさせておく必要があります。

なお、これは撮影当日に必要な香盤や登壇者情報とは別の話です。撮影で必要なのは”段取りの情報”、編集で必要なのは”素材そのもの”と分けて考えると、確認漏れが起きにくくなります。

ここで重要なのは、素材が遅れた場合の扱いです。素材提供が遅れたことで納期が後ろ倒しになった場合、それは映像会社の責任ではなくクライアント側の責任になる、という取り決めを契約前にしておくことが大切です。

チェック項目は次の通りです。

– 必要な素材のリスト(ロゴデータ、企業カラー、写真素材、原稿テキストなど) – 各素材の提供締切日 – 素材遅延時の納期への影響と、その責任の所在

編集段階の素材は、撮影と違って後からでも差し替えが利きます。ただし差し替えのたびに工数は膨らむので、「揃わない前提で先に代替案を決めておく」のが賢いやり方です。たとえばナレーション原稿の確定が遅れそうな場合、BGMと字幕を中心にした構成にあらかじめ切り替えておけば、素材が届き次第すぐに仕上げに入れます。

セリフ例としては、

「ナレーション原稿の確定が納品5営業日前を過ぎそうな場合、BGMと字幕中心の構成に切り替えたいのですが、その場合の追加費用や納期への影響を事前に教えてください」

このように、素材が揃わなかった場合の「プランB」まで契約前に用意しておくのがプロの段取りです。

④著作権・二次利用の範囲

四つ目は著作権と二次利用の範囲です。ここは特に見落とされがちなポイントです。

企業イベントで制作したオープニングムービーやプロモーション映像を、後日SNSや採用サイトに転用したいというケースは少なくありません。しかし契約時に「イベント当日のみの利用」という条件だった場合、二次利用には追加費用が発生することがあります。これを契約前に確認していないと、後になって「使えると思っていたのに使えない」というトラブルになります。

チェックすべき項目は以下です。

– 利用範囲(イベント当日限定か、その後の恒常利用も含むか) – 二次利用の媒体(SNS、採用サイト、社内報など) – BGMやフォントなど、素材自体の著作権処理状況(著作権の基本的な考え方は文化庁の著作権制度解説が参考になります)

セリフ例としては、

「今回のオープニングムービーは、イベント当日以降も自社の採用サイトやSNSで使用する可能性があります。その場合、追加費用は発生しますか。また使用しているBGMの著作権処理はどうなっていますか」

この確認を契約前にしておくことで、イベント後の「使い回したいのに使えない」というクライアントからのクレームを防げます。

⑤当日の運用体制とトラブル時の対応フロー

五つ目は、当日の運用体制です。映像は納品して終わりではなく、当日会場で正しく再生されるかどうかまでが仕事です。

ここで確認すべきは、当日誰が機材操作をするのか、映像が正しく再生されなかった場合の対応フローはどうなっているか、という点です。ライブ配信を伴う案件の場合は、編集チームとは別体制・別見積もりになるのが一般的なので、そこも契約前に切り分けておくと安心です。

チェック項目は次の通りです。

– 当日の操作担当者(映像会社側か、イベント会社側か) – リハーサルの実施タイミング(前日か、当日朝か) – トラブル発生時の代替手段(バックアップデータの有無、予備機材の準備)

セリフ例としては、

「当日の映像再生は御社のスタッフが操作されますか。それとも弊社側で操作担当を立てる必要がありますか。またリハーサルは前日実施が可能でしょうか」

この5項目を契約前に文書化しておくだけで、進行中の「聞いてない」を大幅に減らすことができます。

【イベント会社さまへ】

映像込みのご提案や契約前の確認項目で迷ったら、企画段階から壁打ち相手として使ってください。費用感や実現可否だけ知りたい、という段階のご相談も歓迎です。

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映像パートナーとの案件に、この5項目をどう落とし込むか

ここまでの5項目は、契約書やお見積書に一行ずつ追記するだけでも効果があります。おすすめしているのは、案件開始前に「確認シート」として5項目をまとめたテンプレートを用意しておくことです。

これはクライアントに見せる正式な契約書とは別に、制作会社とイベント会社の間で交わす社内的な確認書類として運用するのが現実的です。毎回ゼロから作るのではなく、テンプレート化しておけば、案件ごとの抜け漏れがぐっと減ります。

僕が面白いと感じているのは、こうした「型」を持つことの効果です。どれだけ制作ツールや手法が進化しても、契約前の「握り」が曖昧なままだと、現場の混乱は解決できません。むしろ効率化が進めば進むほど、人間側の段取りの精度が問われる時代になってきていると感じています。

パートナー選びでは、最新の演出トレンドを追いかけているかどうかよりも、契約前の確認項目をきちんと詰められるかどうかを見極めることの方が、実務上はずっと重要です。

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まとめ:契約前の5分が、進行中の手戻りを防ぐ

今回お伝えした5項目、①納品形式とファイル仕様、②修正回数と修正範囲、③編集用素材の提供締切と責任分界点、④著作権・二次利用の範囲、⑤当日の運用体制とトラブル時の対応フロー、これらは特別なことではなく、むしろ当たり前に確認すべき内容です。

ただ、当たり前だからこそ、忙しい案件進行の中で「今回は大丈夫だろう」と流されてしまいがちです。僕はこれまで、こうした確認の積み重ねが進行の安定に直結する現場を数多く見てきました。だからこそ、契約前の5分の確認が、進行中の手戻りを防ぐことになると、自信を持ってお伝えできます。

次の案件から、この5項目を確認シートにして、契約前のミーティングで一つずつ読み合わせてみてください。それだけで、制作パートナーとの信頼関係も、クライアントからの評価も、大きく変わってくるはずです。

【株式会社EasyEaseについて】

イベント会社の映像制作パートナー。企業イベントの撮影・編集・ライブ配信・OPムービー制作を、 御社案件の一部として裏方で担当します。テンプレートを活用して工数を抑えることで、OP映像をもっと多くの現場で使ってもらえる価格にしています。 広告代理店・制作会社向け自社サービス「CUROCO」も運営中。

🌐 公式サイト:株式会社EasyEase 📩 パートナーのご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。

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