「周年式典のOP映像を作りたいんですが、創業5年目でまだ素材が全然ないんです……」
イベント会社の営業やプランナーから、こういう相談を受けることがある。10周年、20周年みたいな節目のイベントは映像がハマりやすいけど、じゃあ社歴が浅い会社はOP映像を諦めるべきかというと、そんなことは全くない。むしろ素材が少ない会社ほど、構成の組み方次第で感動的なオープニングが作れる。
この記事では、写真や過去映像がほとんどない状態からでもOPムービーを成立させる構成の考え方を、実際に提案で使えるレベルまで具体的に書いていく。クライアントに「素材少ないんですけど大丈夫ですか」と聞かれたときにそのまま返答できる内容を目指した。
なぜ「素材が少ない」で提案を諦めてしまうのか
イベント会社の現場でよくある誤解を、まず解いておきたい。
OP映像=過去の写真や映像を時系列でつなぐもの、というイメージが強すぎる。だから素材が少ないと聞いた瞬間、「じゃあ難しいですね」という空気になりがちなんだと思う。
でも実際のところ、式典のOPで参加者の心が動く瞬間は「懐かしい写真が出てきたから」じゃない。「これから始まる、という空気が一気に変わったから」だ。会場が暗転して、音が鳴って、大きなスクリーンに何かが映る。あの数十秒の”空気の切り替え”こそがOP映像の本質的な価値であって、素材の量とは実はそれほど関係がない。

この前提は、営業段階でクライアントにちゃんと伝えるべきだと僕は思っている。「素材が少ないので簡易版になります」ではなく、「素材が少ない会社だからこそ、こういう構成で作りましょう」と提案できるかどうかが、案件の受注率にも直結する。
構成のコツ①:時間軸を「過去」ではなく「未来」に振る
素材が少ない会社のOP映像は、過去を振り返る構成にすると必ず薄くなる。写真が5枚しかないのに「これまでの歩み」をやろうとすると、間延びして逆に社歴の浅さが強調されてしまう。
だからまず提案したいのは、時間軸を過去ではなく未来に振る構成だ。
具体的にはこういう流れになる。
1. オープニングのロゴ登場(数秒) 2. 代表メッセージやテーマ性のあるコピー(「まだ5年。ここからが本当の勝負だ。」等) 3. 今年の目標・ビジョンを象徴するビジュアル 4. 参加メンバー全員の顔が見える集合カット、もしくは名前が流れるクレジット風演出 5. ロゴで締めて本編へ
このセリフは、実際にクライアントへの提案でそのまま使える。
> 「創業何年という長さより、”これからどこへ向かうか”を見せた方が、参加者の気持ちは前を向きます。過去の実績が少ない分、未来への熱量を主役にした方が式典全体の温度も上がりますよ」
社歴の短さをハンデとして扱うのではなく、「勢いのあるフェーズにいる会社」というポジティブな文脈に変換する。これが1つ目のコツだ。
構成のコツ②:素材の”量”より”熱量”で選ぶ
2つ目のコツは、素材選定の基準を変えることだ。
素材が少ない状態で「使える写真を全部使おう」とすると、質のばらつきが目立つ。証明写真みたいな硬い顔の集合写真と、忘年会のスナップが混在すると、OP映像全体のトーンがちぐはぐになる。
そこで徹底したいのが、量より熱量で選ぶという基準だ。具体的なチェックリストにするとこうなる。
– □ その写真・映像に写っている人の表情が動いているか(真顔の証明写真的なものは除外) – □ 撮影された瞬間に「何かをしている最中」だったか(会議中、現場作業中、乾杯の瞬間など) – □ 会社のビジョンや商品と一緒に写っているか – □ 複数人が同じ方向を見ている、もしくは同じ空気を共有しているカットか
この4つの基準で写真を10枚程度に絞り込めれば、たとえ全体の素材数が20枚しかなくても、OP映像としては十分に成立する。むしろ枚数を欲張って質の低い写真まで使うと、映像全体の説得力が落ちる。
これは編集工程での素材の話であり、当日の撮影とは切り分けて考えたい。クライアントに素材提出を依頼するときも、「ある分だけ全部ください」ではなく「表情が動いている写真だけで大丈夫です」と伝えた方が、クライアント側の負担も減るし結果的に良い素材が集まりやすい。
構成のコツ③:足りない部分は「テキストとタイポグラフィ」で埋める
3つ目。素材が物理的に足りない部分は、無理に写真や映像で埋めようとしない。テキスト(コピー・タイポグラフィ)の力を使う。
OP映像の感動は「情報量」ではなく「間」で作られる部分が大きいと僕は考えている。真っ黒な画面に一行だけ白い文字が出てくる。それだけで会場の空気は張り詰める。
素材が少ない会社ほど、このテキスト主導の構成と相性がいい。例えばこんな流れだ。
– 黒画面に「2021年、3人で始まった。」という一文 – 数秒の間 – 「今日、ここに◯◯人が集まっている。」 – 参加者を映したカット、もしくは会場全体のショット – ロゴ登場
写真がほとんどなくても、この構成なら十分に感動的なオープニングになる。むしろ情報を詰め込みすぎたOP映像より、こういうシンプルな構成の方が参加者の記憶に残ることが多い。
テキスト主導の構成では、フォント選びがそのまま印象を左右する。商用利用できる日本語フォントはGoogle Fontsなどで探せるので、クライアントのブランドトーンに合わせて事前に候補を絞っておくとよい。
【イベント会社さまへ】
「この演出、映像でやりたいけど社内に手がない」——そんなときは、制作パートナーとして裏方で入ります。
御社の名前で納品できる形(下請け・OEM)にも対応しています。
小さく始めて、翌年以降の予算を育てるという選択肢
ここまで構成の話をしてきたが、もう1つ実務的な話をしておきたい。素材が少ないフェーズの会社は、往々にして映像予算もまだ大きくない。
こういうとき、僕らが実際に用意しているのが、テンプレート型のOPムービーだ。1本5万円で、型と素材と入力フォームがセットになっていて、フォームに沿って情報を入れれば完成イメージがその場で固まる仕組みになっている。ゼロから毎回設計しているわけではないから、この価格で成立している。
正直に言うと、この5万円のパッケージは静止画ベースの最低限の構成だ。動きの作り込みや凝った演出まではカバーしていない。ただ、それで十分なケースは多い。特に「初めて式典に映像を入れる」という会社にとっては、この最初の一回を体験してもらうことの方が、作り込みの精度より重要だったりする。
会場が暗転して、テキストがふわっと浮かび上がって、ロゴが出る。その数十秒を経験した会社は、次の年には「今年はもう少し予算をかけて、エンディングも作りたい」となることがある。イベント会社にとっては、この最初の体験を提供できるかどうかが、翌年以降の映像予算そのものを育てる分かれ目になると僕は思っている。
もちろん、そこからもっと作り込みたいという要望が出れば、通常のオープニング映像制作の料金でカスタムに広げていける。5万円は入口であって、ゴールではない。規模や作り込みの度合いによっては、おおよそ10万〜50万円のレンジになることもあるので、まずは打ち合わせで無料お見積もりをお出ししている。
実際の事例はこちら:EasyEaseの制作実績をご覧いただくと、どのくらいの規模感で作っているかイメージしやすいと思う。

周年イベントのような「その会社にしかない物語」を扱う映像は、その会社の空気感やメンバーの表情をどう選ぶか、どういう順番で見せるかという設計の部分が一番大事だと僕は考えている。感動を作るのは構成そのものだ。
提案時に使えるトーク例まとめ
最後に、営業やプランナーがクライアントとの打ち合わせでそのまま使えるトーク例を置いておく。
素材が少ないと言われたとき: > 「素材の量は正直あまり気にしなくて大丈夫です。むしろ表情が動いている写真を数枚選んで、そこにメッセージやビジョンを載せる構成の方が、社歴の長い会社より刺さることが多いんですよ」
予算を心配されたとき: > 「まずは5万円の最小構成のOP映像で、映像を入れることそのものを体験してもらうのも一つの手です。そこから来年に向けて、演出をもう一段作り込んでいく流れも作れます」
過去の実績が少ないことを気にされたとき: > 「何年続いてるかより、これからどこに向かうのかを見せた方が、参加者の背筋が伸びます。むしろ勢いのあるフェーズにいる今だからこそ作れる映像があります」
こういう言葉を営業段階で自然に出せるかどうかで、クライアントの安心感は大きく変わる。素材の少なさをハンデとして扱わず、構成の工夫でポジティブに変換できることを伝えると、クライアントの表情がふっと変わる瞬間がある。
まとめ:周年式典のOP映像は素材の量では決まらない
式典のOPムービーは、素材の量で決まるものじゃない。時間軸を未来に振ること、素材を熱量で選ぶこと、足りない部分はテキストの力で埋めること。この3つの構成の工夫があれば、社歴が浅い会社でも十分に感動的なオープニングは作れると僕は思っている。
イベント会社の担当者としては、クライアントから「素材が少ない」と相談されたときこそ、逆に提案の腕の見せどころだと捉えてほしい。素材の少なさを理由に受注を諦める必要はない。構成次第で、むしろ社歴の長い会社よりも印象的な映像を作れる可能性がある。
もし自社に映像を作れる人手がなくて構成の相談だけしたい、という場合は、僕らのようなパートナーを裏方として使うのも一つの選択肢だ。
【株式会社EasyEaseについて】
イベント会社の映像パートナー。企業イベントの撮影・編集・ライブ配信・OPムービー制作を、 御社案件の一部として裏方で担当します。テンプレートを活用して工数を抑えることで、OP映像をもっと多くの現場で使ってもらえる価格にしています。 広告代理店・制作会社向け自社サービス「CUROCO」も運営中。
サービスの詳細はサービス一覧をご覧ください。