なぜ「感覚」だけの提案は通りにくいのか
イベント会社の営業やプランナーが周年映像を提案するとき、よくあるのが「過去の事例ではすごく好評でした」というトーク。これ自体は嘘じゃないけど、決裁者からすると根拠が弱い。特に周年イベントは予算が大きく動く案件だから、総務部長や経営層が「本当に効果があるのか」を気にする。 ここで効くのが、来場者アンケートに基づいた満足度のデータだ。「映像を入れたイベントは、入れなかったイベントに比べて満足度の回答が高かった」という事実があれば、感覚論から一歩抜け出せる。 OPムービーが流れた瞬間に会場の空気が変わる場面は、現場で何度も見てきた。暗転してスクリーンに企業のロゴが浮かび上がり、BGMが鳴り始めると、それまでスマホを触っていた参加者が顔を上げる。あの変化は確かにある。でも「空気が変わりました」だけでは提案書にならない。それを数字に翻訳する作業が必要になる。
来場者アンケートの設計で押さえる3つのポイント
来場者アンケートを満足度の証拠として使うには、作り方にコツがいる。思いつきで項目を並べても、後で使える数字にならない。提案資料づくりで意識すべき3つのポイントを紹介する。ポイント①:映像に関する設問を独立させる
イベント全体の満足度だけを聞くアンケートはよく見かけるけど、それだと映像の効果が埋もれてしまう。「本日のイベント全体にご満足いただけましたか」という設問の中に映像の評価が溶けてしまうと、提案書に使える数字が取れない。 映像演出について単独で聞く設問を必ず立てる。 – 「オープニング映像はいかがでしたか」(5段階評価) – 「映像演出がイベントの印象に影響したと思いますか」(5段階評価) – 「今後のイベントでも映像演出があったほうがよいと思いますか」(はい・どちらでもよい・いいえ) この3問だけでも、次回提案のときに「満足度◯割」「継続希望◯割」という数字が手に入る。ポイント②:自由記述欄を必ず設ける
数字だけでなく、生の声も提案書の説得材料になる。「オープニングで社史を振り返る映像が流れて、創業者の苦労を改めて感じた」というようなコメントが一つでも拾えると、決裁者の心に響きやすい。 自由記述は回答率が下がりがちなので、「映像演出について感じたことを自由にお書きください(任意)」くらい気軽に書ける文言にしておくといい。ポイント③:配布・回収のタイミングを固定する
アンケートは「イベント終了直後」に配る。記憶が新しいうちに聞かないと、映像の印象がぼやけて他の要素と混ざってしまう。受付での配布、会場出口での回収、もしくはQRコードでその場で回答してもらう形がいい。 紙かWebかは企業によって好みが分かれるけど、現場で見てきた中では、QRコード回答のほうが回収率が高い傾向にあった。スマホで完結するので、来場者側の負担が少ないからだと思う。集めた数字をどう提案書に落とし込むか
アンケートを取っただけでは意味がない。その数字をどう提案書に組み込むかが本題だ。提案書を作るときに意識すべき流れを紹介する。ステップ1:数字をグラフ化する
「映像演出に満足した」が合計で高い割合を占めたなら、円グラフか棒グラフにする。文章で「満足度が高かったです」と書くより、グラフ1枚のほうが決裁者の目に留まる。 提案書の1ページ目か2ページ目、最初にクライアントの目に入る位置に置くのがポイントだ。冒頭でインパクトを出しておくと、後に続く提案内容への期待値が上がる。ステップ2:自由記述のコメントを3つ厳選して引用する
全部載せる必要はない。むしろ多すぎると読まれない。「印象に残った」「感動した」「来年も続けてほしい」といった、方向性の違うコメントを3つ選んで、グラフの横に添える。数字と生の声、両方があると説得力がぐっと増す。ステップ3:前回との比較を作る
もし過去に映像演出なしのイベントを担当したことがあるなら、「映像演出なしの年」と「映像演出ありの年」の満足度を並べて見せる。これができると提案の破壊力が一段上がる。 ただし、ここで注意したいのは、根拠のない数字を作らないこと。「3倍になりました」のような誇張は絶対に避ける。実際に取れた数字だけを正直に出す。数字が小さくても、事実として積み上げたデータのほうが、長期的には信頼につながると考えている。提案トークの例文
実際に決裁者と話すときのセリフ例も置いておく。 > 「前回の周年イベントで、映像演出に関するアンケートを取らせていただきました。『オープニング映像に満足した』というご回答が5段階評価で上位2段階に集中し、『来年も映像演出があったほうがよい』という回答も半数を超えていました。今年はこのデータを踏まえて、エンディング映像にも演出を広げるご提案をさせてください。」 この話し方のポイントは、「データを根拠に、次の提案につなげている」という構成になっていること。感想ベースではなく、事実ベースで会話が進むから、決裁者も予算の判断がしやすくなる。
アンケート結果を「来年の予算」につなげる考え方
ここが一番伝えたいところなんだけど、アンケートの目的は「今回の映像がよかった」を証明することだけじゃない。来年の予算を育てるための材料として使うことが本質だと考えている。 周年イベントは単発で終わらず、翌年・翌々年と続いていくケースが多い。1年目に映像演出を小さく始めて、アンケートで「満足度が高かった」「来年も続けてほしい」という結果が出れば、2年目の予算会議で「今年はもう少し映像に投資しよう」という話になりやすい。 まず最小構成で映像体験を届けて、そこから広げていくやり方をよく提案している。たとえばEasyEaseでは、オープニング映像を1本5万円のテンプレートパッケージで提供している。これは静止画ベースの最低限の構成で、豪華な演出を詰め込んだものではない。でも、映像を使ったことがない企業にとっては「初めて映像の力を体験する」入り口として十分機能する。 会場が暗転して、ロゴとBGMが流れる。その瞬間に参加者の空気が変わる。その体験を一度味わってもらえれば、「次はエンディングも」「表彰式でも使いたい」という声が自然に出てくる。アンケートはこの流れを後押しするための裏付けデータになる。 「去年、映像を入れたら評判がよかった。今年はもっと予算を組んで本格的にやろう」——この判断を引き出すのが、イベント会社にとって一番おいしい展開だ。目先の制作費ではなく、来年・再来年の案件規模そのものを育てる話になるからだと考えている。
【イベント会社さまへ】
「この演出、映像でやりたいけど社内に手がない」——そんなときは、制作パートナーとして裏方で入ります。
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アンケート結果を社内資産として蓄積する
もう一つ伝えておきたいのが、アンケート結果はその場限りで終わらせず、社内に蓄積していくべきだということ。 案件ごとにアンケート結果をスプレッドシートにまとめておくと、「周年イベント×映像演出」の満足度データが社内に貯まっていく。これが新規クライアントへの提案時にも使える。「過去に担当した周年イベントでは、映像演出に関する満足度が平均して高い傾向にありました」と言えるだけで、初回提案の説得力がまったく違ってくる。 チェックリストとしてまとめると、こんな流れになる。 – イベント終了直後にアンケートを配布・回収する – 映像演出に関する設問を独立させて聞く – 自由記述欄を設け、生の声を拾う – 結果をグラフ化し、提案書の冒頭に配置する – 自由記述から3つ厳選してコメントとして添える – 過去の案件と比較できる形でデータを蓄積する – 「体験の広がり」を軸に、来年の予算拡大につなげる提案をする このチェックリストを案件ごとに回していくと、提案の精度が少しずつ上がっていくはずだ。まとめ
周年映像の提案は、感覚やトーンだけで語ると決裁者に響きにくい。来場者アンケートを設計し、満足度を数字と生の声で見せることで、提案書の説得力が大きく変わる。 アンケートは「映像がよかった」を証明するためだけのものじゃない。来年・再来年の予算を育てるための材料であり、イベント会社にとっては継続案件につなげる武器になる。まずは次の周年イベントで、映像演出に関する設問を1つでもアンケートに加えてみてほしい。その小さな一歩が、次の提案書を変える。周年・イベント映像の制作・ライブ配信の具体例は、実際の事例はこちらからご覧いただけます。
【株式会社EasyEaseについて】
イベント会社の映像パートナー。企業イベントの撮影・編集・ライブ配信・OPムービー制作を、 御社案件の一部として裏方で担当します。テンプレートを活用して工数を抑えることで、OP映像をもっと多くの現場で使ってもらえる価格にしています。 広告代理店・制作会社向け自社サービス「CUROCO」も運営中。
🌐 公式サイト:https://easyease.net/ 📩 パートナーのご相談:無料で相談する