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周年イベントの映像提案、粗利を残せる価格設定とOEM卸5万円の損益分岐ライン

周年イベントの映像提案、粗利を残せる価格設定とOEM卸5万円の損益分岐ライン

周年イベントの提案に映像を入れたいのに、見積もりの段階で手が止まる。クライアントの予算は決まっている。そこに映像を外注で積むと自社の粗利が削られる。かといって安く請けすぎると今度は自分たちの利益が残らない。この損益分岐ラインの引き方をどう考えるか、今日は具体的な数字まで含めて書いていく。

周年イベントの映像提案で粗利が消える構造

まず整理したいのは、なぜ周年イベントの映像提案だと粗利が残りにくいのか、という構造の部分。

周年イベントは単発の展示会やセミナーと違って、企業側の思い入れが強い。10周年、20周年、30周年。節目だからこそ「ちゃんとしたものを」という要望が出やすい。ここで多くのイベント会社がやってしまうのが、外部の映像制作会社にフル個別発注をかけてしまうパターンだ。

企業PR動画やブランドムービーのレベルで、周年イベントのオープニング映像を毎回ゼロから企画・撮影・編集で発注すると、どうしても制作費が膨らむ。膨らんだ制作費をそのままクライアントに転嫁しようとすると、今度は提案全体の金額が重くなって競合に負ける。かといって自社でその差額を吸収すると、イベント本体の利益が削られる。

イベント会社とやり取りしていて感じるのは、ここの構造を分けて考えられていないケースが多いということ。周年イベントの映像には実は2種類ある。

一つは、企業の文化やブランドが問われる本編のムービー。社史を振り返る映像や、社長メッセージ、メンバーインタビューを使った本格的なブランドムービー。これはしっかり時間と人の手をかけて作るべきもの。

もう一つは、会場の空気を変えるための演出映像。オープニングムービー、エンディングムービー、表彰式の演出映像。こっちはスピードと量産力が求められる領域で、スピード感を持って提供できる仕組みと相性がいい。

周年イベントの映像提案で損益分岐ラインを考える図解

この2つを同じ単価感覚で見積もってしまうと、提案の金額設計がうまくいかない。周年イベントの映像提案で粗利を残すための最初の一歩は、この2種類を分けて、それぞれ別の価格ラインで組むことだと思っている。

粗利を残す価格設計の考え方

ここから具体的な数字の話に入る。

周年イベントの提案書を作るとき、映像パートをどう積むかで粗利率はまったく変わってくる。仮にイベント全体の予算が300万円のクライアントがいたとして、映像にどれくらいの比率を割り当てるか。

よくあるパターンは、映像をワンセットの個別発注で30万〜50万円くらいで見積もり、そこに自社のマージンを2〜3割乗せて提案する形。ここで問題になるのが、制作会社側の見積もりが固定費に近い作り方をされている場合、イベント会社側が乗せられる粗利の幅が小さくなるということ。

例えば演出映像を個別で30万円で外注し、クライアントには40万円で提案したとする。粗利は10万円。悪くはないが、これが周年イベント1本の労力に見合っているかというと、正直微妙なラインだ。企画の打ち合わせ、素材のやり取り、修正対応、進行管理。編集工程では、支給された写真やロゴの差し替え・追加が重なるほど工数は膨らんでいく。ここにかかる工数を考えると、粗利10万円は薄い。

ここで効いてくるのが、演出映像の部分だけテンプレート型に切り替えるという発想。企画・撮影が発生しない、静止画や既存ロゴ・社名・年数といった情報を流し込む形のオープニングムービーであれば、個別発注よりも圧倒的に低いコストで仕入れられる仕組みがある。

具体的には、EasyEaseが提供しているテンプレート型のOPムービーパッケージは1本5万円。月額ではなく買い切りの単価だ。発注側はフォームに沿って社名、周年数、ロゴ、使いたい写真などを入力するだけで、入力した時点で完成イメージがその場で固まる。毎回ゼロから個別設計しないからこそこの価格で成立している。

この5万円を仕入れ値として、イベント会社側がクライアントにいくらで提案するかは完全に自由だ。15万円で提案してもいいし、他の演出と抱き合わせで25万円のパッケージにしてもいい。粗利の幅をどれだけ取るかは、イベント会社側の裁量に委ねられている。

ここで大事なのは、5万円のパッケージは静止画ベースの最低限の構成だということ。これは入口の最小構成であり、「もっと作り込みたい」となった場合は通常のオープニング映像制作料金でカスタム制作に広げられる、二段構えの設計になっている。

損益分岐ラインをどう引くか

周年イベントの案件でOEM卸5万円を使う場合、損益分岐の水準はどこに引くべきか。これはイベント会社との打ち合わせで実際によく聞かれる質問だ。

考え方はシンプルで、「このクライアントが来年以降も映像予算を継続して組んでくれるかどうか」を軸に置く。

1回限りの単発イベントで、来年の継続がまったく見込めない案件であれば、粗利を厚めに取りにいっていい。5万円の仕入れに対して15万〜20万円の提案でも、それがその案件単体の適正価格ならそれでいい。

一方で、周年イベントのように「毎年ではないが数年ごとに必ず発生する」案件、しかも企業規模が大きく今後の予算拡大が見込める相手であれば、初回は粗利を薄めにしてでも体験してもらうことを優先した方がいいケースがある。

理由は単純で、映像を使ったことがない企業ほど「うちには必要ない」と思い込んでいるから。使ったことがないから価値がわからないだけなんだ。会場が暗転してオープニングムービーが流れた瞬間、空気が変わる。参加者の姿勢が変わる。あの体験は、一度味わってもらうしかない。

その最初の一回を邪魔しているのが金額のハードルだった場合、ここで無理に粗利を厚く取りにいくと、そもそも映像自体を提案から外されてしまう。それなら初回は仕入れ5万円に対して提案8万〜10万円程度の薄い粗利でも通して、体験してもらう方が長期的には正しい判断だと思っている。

一度体験すると、「次はエンディングも映像にしたい」「来年の表彰式でも使いたい」と、映像を使える場面が自然に広がっていく。そして翌年、「去年は映像を入れたら反響が良かった。今年はもっと予算を組んで盛大にやろう」という判断につながっていく。これはイベント会社にとって、クライアントの映像予算そのものを育てる一手になる。

この考え方をまとめるとこうなる。

– 単発・継続見込みなしの案件 → 粗利を厚く取る(5万円仕入れに対して15万円以上の提案) – 継続見込みあり・初回体験の案件 → 粗利を薄くしてでも通す(5万円仕入れに対して8万〜10万円の提案) – 2回目以降・すでに映像の価値を体感済みの案件 → 通常の粗利幅に戻す、またはカスタム制作への誘導も検討

このラインを事前に自社内で決めておくと、提案時に迷わなくなる。

OEM卸5万円の粗利設計のイメージ

提案トークの具体例

実際にクライアントへどう話すか、セリフの形で用意しておくと現場で動きやすい。

「周年イベントの冒頭、暗転してからオープニングムービーが流れる演出、入れたことありますか? 社名やロゴ、これまでの歩みを映像で見せるだけで、会場の空気が変わります。まずは静止画ベースの最小構成からで、御社の予算感だと10万円前後でご用意できます。来年以降も続けていきたいとなれば、インタビュー撮影を含めた作り込みプランに広げることもできます」

このトークのポイントは、最初から「作り込んだフルカスタム」を提示しないこと。まずは体験してもらうための最小構成を入口にして、そこから広げられる余地を見せておく。クライアントが「思ったより気軽に試せる」と感じられると、周年イベントの映像提案自体が通りやすくなる。

もう一つ、社内検討用のセリフも用意しておくといい。

「このクライアントは来年20周年です。今回は粗利を8万円程度に抑えてでも映像を体験してもらって、来年の20周年に向けて予算を本格的に取りにいきましょう」

これは社内の決裁者や営業チームに、なぜ今回は粗利を抑えるのかを説明するためのセリフ。目先の案件だけで判断すると「なぜ安く請けるのか」という疑問が出るので、中長期の予算育成という文脈をセットで共有しておくことが大事だ。

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提案前のチェックリスト

周年イベントの映像提案に入る前に、確認しておくべきポイントをリストにしておく。

– このクライアントは今後も周年・表彰式・社員総会などの映像発生機会がありそうか – 映像を使うのは今回が初めてか、すでに経験があるか – クライアントの予算感はどのレンジか(映像にどこまで割けるか) – 演出映像(OP・ED)とブランドムービー(企業PR・採用)のどちらが必要か、両方必要か – テンプレート型の最小構成で十分か、企画から作り込むべきか

このチェックを提案前にやっておくと、粗利の取り方も迷わなくなるし、クライアントへの説明もブレなくなる。

現場対応も利益設計に含める

周年イベントの当日運営は、映像だけでは完結しない。パンフレットの入稿、看板の設置、当日のスタッフ配置。これらを含めてどこまで自社でカバーし、どこを外部パートナーに任せるかも、粗利設計に関わってくる話だ。映像だけを切り出して外注コストを抑えても、当日運営の人件費がかさめば全体の利益は変わらない。周年イベントは映像・パンフレット・会場演出・当日運営、すべてをセットで見て初めて適正な価格設計ができる。

まとめ

周年イベントの映像提案で粗利を残すには、まず映像を「企業の文化が問われるブランドムービー」と「会場の空気を変える演出映像」に分けて考えること。演出映像の部分はテンプレート型の低コスト仕入れを活用し、粗利の取り方は「単発案件か、継続見込みのある案件か」で変える。初回は体験してもらうことを優先し、そこから来年・再来年の予算を育てていく。

5万円のOEM卸は、安さそのものが目的ではない。映像を使ったことがない企業に、その価値を体験してもらうための入口だと思っている。この水準を事前に決めておけば、提案の現場で迷わず動ける。次の周年イベントの提案書を作るときは、まずこのチェックリストに沿って自社の価格設計を見直してみてほしい。

あわせて読みたい関連コラム

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損益分岐の基本的な考え方はWikipedia(損益分岐点)も参考になります。

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